「ゴールド最高値、ビットコイン半値」この差を説明できますか?

日本でほとんど話題にならない、ある金利データの話

こんにちは、佐々木です。

ゴールドは$5,000を超えて絶好調。

一方、かつて「デジタルゴールド」と呼ばれたビットコインは、昨年10月の高値からほぼ半値です。

同じ「価値の保存手段」として語られてきた2つの資産が、ここまで明暗を分けている。
なぜでしょうか?

「流動性が大事」の、その先

投資をしていると「流動性が大事」という言葉をよく目にします。流動性が増えれば価格は上がりやすい。減れば下がりやすい。ここまでは、なんとなく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

でも、「じゃあ流動性って、具体的にどう測るの?」と聞かれると、急に答えにくくなります。

FRBのバランスシート? M2マネーサプライ?

たしかにそれらも指標のひとつです。でも、M2は月に1回しか更新されません。1ヶ月前のデータで今日の相場を判断するのは、先週の天気予報で今日の傘を決めるようなものかもしれません。

毎日更新される「銀行の温度計」

ここで登場するのが、IORB-SOFRスプレッドという指標です。

聞き慣れない名前ですが、やっていることはシンプルです。

IORBは、銀行がFRBに預けたお金につく利息です。いわば銀行にとっての「定期預金の金利」。FRBが一方的に決めています。

SOFRは、銀行同士が翌日返す約束でお金を貸し借りするときの金利です。こちらは市場が毎日決めます。

この2つの差(スプレッド)が、銀行間の資金の余裕度を教えてくれます。

なぜこれが重要なのか?

スプレッドが広い(銀行に余裕がある)→ お金が市場に回りやすい → リスク資産は上がりやすい

スプレッドが狭い(銀行がお金を抱え込む)→ 市場からお金が引き上げられやすい → リスク資産は苦しくなる

そして、ビットコインが頭を打たれ始めた時期と、このスプレッドが「危険域」に入った時期は、かなり一致しています。

偶然でしょうか? 個人的には、そうは思いません。

ゴールドはなぜ影響を受けにくいのか

ゴールドは実物資産です。中央銀行自身が買い手として存在し、地政学リスクのヘッジとしても機能します。銀行間の短期金利が動いても、直接的な影響は限定的です。

一方、ビットコインはドル流動性の影響をダイレクトに受けます。銀行の温度計が「冷えてきた」と示しているとき、最も敏感に反応するのが暗号通貨市場です。

つまり、ゴールドとビットコインの明暗は「感覚」ではなく「構造」で説明できます。
そして、その構造を教えてくれるデータは、毎日更新されています。

前回のメールでお伝えしたV6.3のアップデートで、中銀ハンターにこのIORB-SOFRスプレッドを組み込んだのは、まさにこの理由です。

チャートやニュースだけでは見えない「銀行の体温」を、売買シグナルの判定に使えるようにしました。

IORB-SOFRスプレッドの詳しい仕組み、そしてビットコインとの相関を示すデータは、ブログ記事にまとめています。

※ 次回は、V6.3の3データソースを組み合わせた場合のバックテスト結果を共有します。5年間のシグナルで、何が分かったのか。数字でお伝えします。

佐々木徹
ココスタ